バックナンバー(2011年5月11日)

3月11日の震災から、ちょうど2ヶ月が経過しました。
被災された皆様に、改めてお見舞い申し上げます。

 

これまでの経過

この2ヶ月、引退馬協会では、馬の団体だからできる支援がしたいと思い、引退競走馬が数多く暮らす南相馬市の被災馬と被災した飼い主さんたちの支援をして参りました。地震発生直後、被災地で馬を飼う方達がどこにどのくらいいるのかさえ何の情報もない状態から始まりました。

初めのうちは、緊急を要する馬の移動先を探して、心当たりの場所へお願いする日々が続きましたが、私自身、3度南相馬に行くことで、だんだんと被災地の様子がわかってきました。馬を飼う方々と話をしたところ、避難先から馬を心配して被災した自宅に戻ったり、通って馬の世話をする方々が大変多いことが分かったのです。

人間の物資も滞りがちで、何より津波と原発の事故で流通が全く止まってしまっていた南相馬では、早急に飼料支援が必要でした。はじめは、相馬市の相馬中村神社1カ所だったのですが、相馬中村神社と南相馬市の特に馬の多い原町区とは距離があるため、今日現在は南相馬市の飼料拠点を5カ所置いています。

飼料支援の一方で、引退馬協会では、津波で被災した原発20キロ圏内の牧場から状態の悪かった11頭の馬の譲渡を受けて保護し、南相馬市の相馬ポニー牧場の馬房を借り、厩舎スタッフをおき、20キロ圏から脱出してきた他の馬やポニーとともに管理し、獣医師ボランティアの派遣等を行っています。

ニュースでも報じられておりましたが、4月22日に原発20キロ圏内が警戒区域に指定され、立ち入りがさらに一層厳しく制限され、飼い主さえ馬の給餌ができなくなりました。飼い主の熱意と南相馬市の「馬を守る」ことへの努力が実り、5月2日、南相馬市の原発20キロ圏内の馬28頭が無事移動でき、大きな山をひとつ越えることが出来ました。この間、引退馬協会では役所と飼い主とお互いに連絡を取り合い後方支援をして参りました。

これによって、4月1日から行っている30キロ圏内に住む馬の飼料支援は現在希望頭数が152頭(直接支援も含め)になりました。

皆様からの情報、物資、支援金などさまざまなご支援の中、ここまでくることが出来ましたこと、心から感謝申し上げます。


今後の支援について

今後の方向性についてお知らせします。

現在の「緊急支援」の体制は7月末までを想定しています。その後は必要に応じた支援体制に切り替えていく予定です。

 飼料援助について

緊急支援として飼料援助を行っています。先に書いた通り、現地の飼養者の希望と利便性を考え5カ所に飼料配布の拠点を設け、一頭当たりに必要な馬の餌の量と頭数をもとに2週間分ずつを搬入することにしました。今後状況を見ながらいつまで続けていくか判断したいと思います。

馬の移動について

譲渡先として、預託先として、今までにたくさんのお申し出をいただいていることについても、改めて御礼申し上げます。

今までの移動については移動元と移動先の直接のコンタクトがメインで、その移動についての馬運代を助成するという形を取ってきましたが、今後は、現在引退馬協会が直接支援をしている馬たちの移動が始まります。引退馬協会が相馬ポニー牧場他で支援している44頭の馬たちのうち、譲渡希望の馬については、順次各馬の健康手帳を整え、伝貧検査やワクチン接種、放射能検査をしている段階です。

連絡をいただいている引き受け先候補の方に、メール等を通して各馬の性格や適正をお知らせしながら、譲渡先の選択、引渡しに移り順次譲渡引渡しに移りたいと思います。1ヶ月以内に移動が可能な馬は約10頭ですが、他の馬たちは8月以降の移動となる可能性があります。すぐにでも馬を引き受けたいというご希望を多数いただいておりますが、地元の意向等もありますのでご理解のほどお願い致します。

現行行っている馬運代の助成、去勢手術代の助成は引き続き行っていきます。(馬運代については輸送前の事前連絡と事後報告、去勢代については実施前に申請と実施報告書の提出が必要です。)

継続的な支援体制へ

この「緊急被災馬支援」は終わっても、それですべて終わるわけではなく、長期的な支援が必要です。必要であれば、飼料支援の継続や、関わった馬の見守りや現状把握は続けて行い、一旦引渡しが終わった馬でも、最終的に行き場を失った馬、譲渡先から返された馬や、譲渡先が見つからなかった馬については、最後の1頭まで安住の地を見つけて参ります。

緊急時に備えて

依然として先が見えないままとなっている福島原発ですが、南相馬市で馬が多くいるのは「緊急避難準備区域」と、新たに設定された30キロ圏内で、問題が解決していない現状では緊張が続いていることに変わりありません。南相馬市や地元馬関係者と連絡を取りつつ、新たな必要を感じたときには、今後も引退馬協会として新たなプロジェクトを起こして行きたいと思います。

馬を愛する皆様で、今後の活動も見守っていただけたら幸いです。


2011年5月11日

特定非営利活動法人 引退馬協会
代表理事 沼田恭子


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    【譲渡が完了した被災馬たち】

被災馬支援金報告

  • 2013年1月23日までの支援金累計金額
      28,551,916円(内訳)
  • 2012年12月31日までの支出(確定分)
      27,082,400(内訳)
  • 支援金累計金額にはすべての口座へのご寄付を含みます。(JustGivingは実入金分のみ)

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